ドライマウスとストレスの関係について
ドライマウスとストレスの関係について
ドライマウスの大きな症状として、「唾液の分泌量が少ない」というのが挙げられます。ほとんどの場合、この唾液の量によってドライマウスかどうかが判断されますが、私たちの体内で毎日1.5リットルも作られる唾液はストレスと大きな関係を持っています。
唾液に含まれるコルチゾールとストレスの関係
人間の体はストレスを体内に抱えるとコルチゾールと呼ばれるホルモンの一種が働いて、私たちの体をストレスから守ろうとします。コルチゾールは心拍や血圧を上げる働きをするのですが、長期にわたって体内にストレスを抱えると体に負荷がかかるため、唾液や涙によってコルチゾールを体外へ排出しようとします。嫌なことがあった時にたくさん泣いてすっきりした気分になるのはコルチゾールが体外に排出されるためです。そのようなストレスへの防衛反応は唾液にもあり、辛い時にやけ食いしたり大食いすることですっきりするのは唾液が多く分泌されるためであり涙を流すことと同じ意味があります。
唾液によるストレス対策とは?
ストレスを発散するために唾液を出すことはいいことなのですが、だからといってはやけ食いや大食いは消化器官に負担をかけるので良いことではありません。そのため食事によってストレス軽減を行いたい場合は食べる量を増やすのではなく、意識していつもよりよく噛んでものを食べたり、食事のスピードをゆっくり行う、またはガムを噛んだりするなどの対策がおすすめです。このような行為を行うだけでも唾液量は増え、ストレス軽減につながります。
またドライマウスの場合はそもそも唾液量が少ないので、ストレスへの防衛反応が普通の人に比べると低いということになります。そのためドライマウスの治療をしっかり行うことはストレス対策へもつながるのです。
ストレスがドライマウスの原因になることも!
ここまでは唾液とストレスの関係について述べましたが、そもそも、ストレスが唾液量を減らす要因になっていることもあります。つまりはドライマウスの原因がストレスである場合があるのです。
その理由としては、体がストレスによって緊張状態にあり、交感神経が優位になっていると唾液を分泌しづらいという体内のメカニズムがあるためです。それが慢性化すると長期にわたって唾液の分泌量が減り、ドライマウスを引き起こしてしまいます。ストレスは目に見えるものではないのでドライマウスになった原因をはっきり特定できないという場合は、ストレスによるドライマウスを疑ってみましょう。
精神的につらい体験をした、仕事がハードで疲れている、家庭に悩みを抱えているなどストレスはいろいろな場面で発生します。ストレスが原因でドライマウスを発症した場合はストレスをうまくコントロールし、向き合っていくのもドライマウス治療の1つといえます。なかなか一人でその作業ができない、具体的にどうしたいいのかわからない場合などは心療内科やカウンセラーなどを受けてみるのもおすすめです。